矯正歯科医インタビュー

奥平真理子先生(日本矯正歯科学会認定医)

子どもの頃の歯科体験で印象に残っていることは何でしょうか。

最も印象に残っていることは、私が歯科医師を目指すきっかけとなった自分自身の矯正歯科での経験です。もともとむし歯は少なく、むし歯治療の経験はあまりないのですが、矯正歯科医院に通ったことで痛くない歯科医院も存在するんだということを知りました。通院を重ねるごとに歯が移動していく経過を見たことが大変印象に残っています。
もともと八重歯でしたので人前で大きな口を開けて笑うことが苦手でしたが、歯並びが変わったことで人前で普通に笑うことができるようになり、社交的な性格になりました。この様な経験をしたことで、歯並びがその人の人生に影響を与えることが少なくないと感じ、1人でも多くの方に自信に満ちた人生を送っていただきたく矯正科医を目指すことになりました。

子どもの頃から矯正を始めるメリットを教えてください。

顎の成長が利用できるため不正咬合の程度を少なくし、バランスの取れた顔立ちに導くことができます。不正咬合の程度を少なくすると、永久歯を抜かないで治療できる可能性が高くなり、また大人の矯正期間が短くできるのです。バランスのとれた顔立ちは、コンプレックスがなくなり自信をもつことにつながるのです。

子どもの治療の流れについて教えてください。

お子さまの矯正治療を開始する時期は症状や顎の成長度合いによって違いますので、少しでも気になれば一番良い時期を逃さないよう、お気軽にご相談いただければと思います。
大人の歯が生える前の子どもの歯が萌えそろった段階でも、指しゃぶりがあったり口の周りの筋肉や舌の使い方が上手でない場合には、正しい筋肉の使い方を身につけていただくため、予防矯正として治療をすすめることもあります。
5~6歳で最初の大人の歯が生えてきます。そして大人の歯がすべて生え揃い、歯並びが完成するのは12~13歳です。この期間は顎の成長があるため、歯並びや顔立ちが決まる大切な時期と言われています。この時期は歯の土台となる顎の成長を正しい方向へ導いていく早期治療を行っていきます。大人の歯が生えそろったら、それぞれの歯を理想的な位置へ配列していく本格治療となります。

本格治療で使う装置の種類について教えてください。

表側に装置を付けてワイヤーを通す表側矯正、目立つ上のみ裏側に装置を付けるハーフリンガル、上下とも裏に装置を付ける裏側矯正、マウスピース型矯正装置があります。
マウスピース型矯正装置は医療機器法対象外であり全ての方が適応となるわけではないので、ご希望の方は一度ご相談いただければと思います。また以前と異なり表側に付ける場合でも、ワイヤーが白くて目立たないものもありますのでご相談ください。

矯正というと装置をつけた当初痛みがあると聞きますが、実際はどうでしょうか。

当院では、お子さまにはできるだけ取り外しのできる装置を用いることにより、弱い力で痛みをほとんど感じず、食事の時の違和感をなくし歯磨きもしやすくなるようにしています。
大人の方はワイヤーをつけることが必要となることが多いですが、最新の形状記憶の細いワイヤーを用いることで、効率よく痛みも少なく歯を動かすようにしています。装置の違和感に対しても保護材をお渡しし、できるだけ快適に治療期間を過ごしていただけるようにしております。

矯正装置をつけている期間のメンテナンス指導はどのようにされていますか?

むし歯や歯周病がある状態では矯正治療を進めていくことができません。そのため、まずはむし歯や歯周病の治療や歯磨き指導を行い、ご自身で予防ができるようになってから治療を始めています。
治療中も当院のむし歯治療を行っている先生と定期的に情報交換をし、むし歯のチェックと同時に歯石除去等のクリーニングを行います。その段階でむし歯が見つかればすぐに治療をしていただけます。矯正治療日にワイヤーを外して、むし歯治療をその場で行うことも可能です。また当院ではフッ素を塗ることで、可能な限りむし歯をつくらないようにしております。

歯並びを治すと健康面でどの様なメリットがあるのでしょうか?

やはり歯の重なりが改善されますので歯が磨きやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが減ります。食べ物の咀嚼効率も上がりますので、栄養の吸収率が良くなるというメリットがあります。また、発音も明瞭になります。その他に心理的な面ですと、歯並びが原因で内向的になっていた方でも、歯並びを治すことで自信を持ち、顔付きまでどんどん変わったり、人前で笑顔になれたりと心理的なメリットも大きいと思います。

日本矯正歯科学会の認定医でありますが、一般的な歯科医師、認定医でない矯正医との違いを教えてください。

歯科医師免許があれば、きちんとした研修を受けなくても矯正歯科治療を行うことは可能です。しかし、矯正歯科治療はむし歯等の治療等よりも長期的な予測と治療計画が必要となるため、ドクターの経験や技術力の違いが治療結果にも影響を与えると言われています。
日本矯正歯科学会は日本で最も権威のある学会で、5年以上の臨床経験と症例実績を積み、高い基準の審査に合格しないと認定医として認められません。

患者さんとのコミュニケーションで心掛けていることはなんでしょうか。

当院はお子さんが多いので、楽しく来ていただき、楽しく帰れるようにと心掛けております。歯の型取りでも一度嫌な印象を持ってしまうと苦手になってしまうことが多いと思いますので、なるべく声を掛けながら他の方に意識を持っていくようにし、気持ち悪いといった先入観を持たせないようにしています。矯正治療は患者さんの協力も治療を行っていくうえで必要です。そのため、できるだけ、お子さんにも理解していただけるように説明することを心がけています。

休日はどのように過ごされていますか?

趣味は旅行です。国内外を問わず色々なところに行くのが好きですね。ただ中々まとまった休みが取れないので、旅行番組を見たりすることが多いです。また休日は料理を作ることを楽しんでいます。

これから矯正を考えている患者さんへのメッセージ

当院では東京医科歯科大学歯学博士、日本矯正歯科学会認定医のダブルライセンスを有する矯正担当医が矯正相談を行っております。患者さんの歯や歯並びに関するお悩みを十分お聞きし、その上で自分が患者であったらこうしてほしいと思う最良の治療方法をご提案させていただいております。歯並びは似ていても特徴や症状は一人ひとり異なります。私自身も矯正治療の経験者なので、どんな小さなことでもお聞きしていただければと思います。